2021年

今年亡くなった忘れ得ぬ人を悼む その2細木数子さん         
2021年 · 2021/12/28
今年も胸に迫った多くの訃報の中で、ダントツはやはり神田沙也加さん。特にファンではないけど、あまりに悼ましくて。TVで報道されるたび、画面で『マイフェアレディ』の沙也加イライザが唄う。そのフレーズが耳にこびりつき、夢にまで見たので、調べてみると“花売り娘”イライザが唄う「素敵じゃない?」。〽︎温かい部屋で、チョコレートを食べる。それって素敵じゃない-----と唄う貧しい花売娘の幸せへの願いは、沙也加自身の夢でもあったかも。 11月8日に83歳で逝去した細木数子さんは、それに比べ女傑として生き抜いた感あり。私は僅か1回お会いしただけの人間だけど、その1回ですっかり忘れ得ぬ人になったのです。

今年亡くなった忘れ得ぬ人を悼む その一人 西脇英夫さん  
2021年 · 2021/12/12
今年も何人かの知人が物故したけど、コロナ禍だったり、疎遠になっていたりで、多くは心の中で手を合わせて偲びました。 でも花一つ手向けなくても、心に深く残る人。その一人が、6月に亡くなった映画評論家の西脇英夫さん(77)。会った時はお互い20代半ばで、タウン誌『東京25時』の同僚でした。同誌が潰れてからは、その編集仲間3人で“ツーホットワンアイス”なる仕事集団を作って、週刊誌や雑誌の仕事を請けていたのです。

七色唐がらし
2021年 · 2021/11/12
友人と一年ぶりに日本橋で会うことになり、ちょっと足を伸ばして薬研堀の『大木唐からし店』へ。ここの七色唐がらしを、手土産にしようと思ったのです。ところがガーン。店の戸にこんな張り紙が。「当店は七月三十一日をもって閉店しました」 コロナ禍が、こんな小さな老舗も飲み込んだとは。この大木屋の創業は明暦二年(1656)。その翌年一月に、江戸の大半を焼いた明暦大火が起こっているから、たぶん大木屋も延焼したでしょう。  この火事の教訓で大川に両国橋が架けられ、両岸に両国広小路という火除け地ができたのだから。大木屋はこの西側の広小路にあり、長きに亘って七色唐がらし(七味の呼名は上方のものだそう)を、江戸・東京の多くの名店や、ファンに送り続けてきたのです。

“宣言解除”前夜の銀座にて
2021年 · 2021/10/08
9月30日、友人の“会社卒業”のお祝い会があり、ほぼ一年ぶりに銀座のレストランへ。明日からは緊急事態宣言解除になるこの日、惜しくも一日違いでノンアルコール。折から台風16号が接近中で、地下鉄銀座駅の構内では、「今夜は災害が予想されるので、早めの帰宅を----」と繰り返し放送し、どこかざわついた夜でした。 集まったのは女子ばかり八名。さる新聞社の女性記者の呼びかけで、通訳、料理研究家、女子アナ、広告代理店勤務-----等々、驚くほど多彩な顔ぶれがたまに会食する集まりで、メンバーが変わりつつも、もう二十年近くのキャリア。でも皆の多忙さにコロナが重なって、この顔ぶれで集まるのは、実に何年ぶりかのこと。

今は懐かし“男の料理”
2021年 · 2021/08/29
ジージーと油ゼミの鳴くこの午後、私は日傘やアームウオーマーで防備を固め、燃えるような炎天下へ。この前日、料理上手の友人K氏からメールあり、「お惣菜を渡したいから、明日、いつもの所へ来られるか?」。彼は時々(月1回くらい?)狂ったように料理を作り、親しい友人数人に分けてくれる奇特な人なのです。

『山岡鉄舟先生正伝/おれの師匠』_暑い夏の日に寝転んで
2021年 · 2021/08/05
開催は是か否か。そんな騒がしい中で始まっちゃったオリンピックですが、気がついてみるともう終盤。あれこれ言っていた私は、サッカーや陸上などのT V観戦にはまり、夜更かしの毎日です。 開会式も、「地味だ」「才気がない」と散々な言われようだったけど、何ぶんにも非常時のオリンピック。たしかに“さあどうだ”のハッタリ感はなかったけど、その控えめな作りに、かえってホッとした人もいたんじゃないですか。初めから無観客とお茶の間観戦を予想して、“テレビサイズの開会式”を演出した?----とまで、私など思いましたけど。ド派手でない分だけ、世界206ヵ国の選手入場シーンがフィーチャーされ、堂々として伸びやかなこの行進が、開会式の基本なんだと改めて感じました。 さて、こんなバタバタと騒がしい夏は、ぜひ暑気払いの一冊を! おススメは『山岡鉄舟先生正伝/ おれの師匠』(ちくま学芸文庫)。

頭痛肩こりの今年の七夕 
2021年 · 2021/07/13
ベランダで夏を告げる白いムクゲが咲いて、今日は七夕。 昨6日にワクチン二度目を接種したら、夜から腕の痛みと偏頭痛が出て寝苦しく、今朝はズキンズキン。這うように起き、朝食を済ませ、熱は出てないけど解熱鎮痛剤“アセトアミノフェン”を服用。ソファに横になって二、三時間しのいだら、痛みは柔らぎました。

やっとワクチン打ちました
2021年 · 2021/06/19
何だかんだと理由をつけて逃げ回っていたワクチン。掛かりつけの医院で、昨日ようやく一回目を終えました。アッという間のことで、左腕が痛んで寝苦しかったけど、この程度で済むなら有り難いと、遅まきながら一安心。このワクチンは、“メッセンジャーR N A”なる遺伝子の操作で体内の免疫を高めるもので、コロナウイルスを体内に注入するものではないから、気分的には楽ですね。

風雲品川宿
2021年 · 2021/04/26
ポカポカ陽気に誘われて、「東海道品川宿」をウオーキング。この町を背景に短編を書こうと思い立っての、久びさの品川です。 品川といえば、京急北品川駅の海側に旧東海道が通り、この沿道に宿場町の面影を残す町並が長く伸び、その隣にはかつて“海”があった-----というイメージがあります。明治に作られた鉄道唱歌にも、「窓より近く品川の 台場も見えて波白く 海のあなたに薄がすむ 山は上総か房州か」と唄われてるし----。

オーマイゴッド! パート1
2021年 · 2021/03/09
久しぶりに本を整理し、馴染みの古本屋に連絡したら、「今は本がタブついてて引き取れない」とのこと。やむなく隣町の“ブックオフ”に電話したら、やっぱり同じお答え。両店とも、いつもは二つ返事で来てくれたのに。つまり、コロナ自粛やリモート勤務で在宅が多くなった人達が、書棚を整理し古書店に持ち込んで、供給過多になったわけ。これっていつまで続くのか。行き場を失って廊下で埃かぶってる本、捨てられません。どうすればいいのでしょう?

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