2022年

十一月は、魅惑のライブハウスへ
2022年 · 2022/11/22
秋も深まるこの11月、毛色の変わったライブを二つ堪能しました。 この3年間、コロナ自粛でライブが少なく、体調不良も重なって夜の外出はもっぱら飲食ばかり。これじゃ酸素不足だと痛感していた矢先、自粛も解禁となったし、魅力的なライブの案内が舞い込んだ! さっそく外出前のドタバタのあげく、家を飛び出した私でした。

噓から出たまこと――木苺忌異聞
2022年 · 2022/10/14
「-----また皆様で、お会いしたいですね。来年の今頃、かれの好きだったラズベリーにちなんで、“木苺忌”なんていいかと----」 十月初めの氷雨の降る日、そんなメールがひょっこり届きました。古い友人で、以前、漫画誌の編集長だったKさんから。共通の友人・岡崎英生さんが数ヶ月前に亡くなり、つい最近、私が呼びかけて新宿で開いた“偲ぶ会”で、共に献杯したばかりです。

文豪鷗外と麦飯男爵
2022年 · 2022/09/25
今年は森鴎外没後百年で、記念館では色々な催しがあるようです。 でもだから鷗外のサイトを開いたわけじゃなく、明治の頃“麦飯男爵”と呼ばれた医師・高木兼寛を調べようとたら、鷗外の名が連なって出て来ちゃったんです。そう、この二人には知る人ぞ知る、医学史の末代まで残る深い確執があったんですね。それは脚気です。 原因不明で特効薬もないこの病いは、“江戸患い”と呼ばれながら、江戸が終わっても急増し続け、“国民病”にまでなった。特に軍人に多かったため、海軍軍医だった高木は、陸軍軍医の鷗外と、その原因を巡って“脚気論争”を繰り広げたのです。

私の卵サンドが美味しいわけ
2022年 · 2022/08/05
昼間のお客様には、いつもサンドイッチを作るのが私の定番。ハムサンド、ポテトサンド、ツナのカレー風味サンド、卵サンド-----を小さめに切って洋皿に盛り付け、香りのいい紅茶で勧めます。 凄く美味しいというような評判は未だないけど、馬鹿の一つ覚えで十年一日、同じものを作って出すため今や“名物”です。中で、よく褒められるのは卵サンド。でもなぜ美味しいかと問われたことはないし、ま、リップサービスかと思うぐらいでしたが----。

キッシュロレーヌは幸せの味
2022年 · 2022/06/15
少し前、何げなくTVのチャンネルを回したら、料理に奮闘するけなげな男性の姿が-----。パリで、子育てしながら作家活動を続ける、辻仁成さんでした。この作家が、十年くらい前に女優の奥さんと離婚し、ご子息を引き取ってシングルファーザーになった話は有名です。この画面は、たぶん自撮りでしょう。そう広くはなさそうなキッチンで、料理をササッと美味しそうに仕上げる姿はサマになっていて、つい最後まで見ちゃったのです。

花盛りの季節、“まつママ”を送る
2022年 · 2022/04/29
「-----咲き出しの時期の五稜郭は、濃いピンク色に染まっています。満開のころには薄ピンクに。花が完全に開くと五稜郭は白くなります」 久しぶりに『箱館奉行所』の館長坂本さんから、こんなメールが。その1週後の今日、五稜郭には白い花吹雪が舞っているでしょう。 歌舞伎町のバー『まつ』のママだった金木美枝子さんが病没したのは、そんな4月19日でした。葬儀は昨27日。初夏の陽射しの強い日、ツツジ満開の落合の斎場まで行って来ました。それまでの1週間、“逝きし人”は、人生の全ての行程を終えて冷暗室に横たわり、旅立ちの時を静かに待っていたのです。

戦場ジャーナリスト
2022年 · 2022/03/31
あら、雪? スーパーを出ようとした時、一瞬そう思った。外に出てみると、ガラス戸の向こうに白い雪のように見えたのは、咲き始めたばかりの土手の桜。季節が巡って、誰にも騒がれずにひっそり咲いたのです。でも確定申告や締切りやらでアタフタしてる私は、この変哲もない桜に、何か癒しを貰ったような気がしたのでした。 ところで昨今、T V画面を騒がせているのは、ウクライナ侵攻の報道番組。今こんな非道がまかり通っているのか、無辜の民への無差別攻撃が許されるのか----等々、いつも信じられない思いで見ているのだけど、先日、その画面に現れた人を見てエッと驚いた。私個人としてはお久しぶりの戦場ジャーナリスト、佐藤和孝さん。

旅の恥はかき捨て
2022年 · 2022/01/31
こんにちは。遅まきながら、新年初のブログです。1月は体調を崩し(坐骨神経痛)、コロナはまだ蔓延途上、明日からの2月は寒いとか。あまりめでたくない正月の終わりだけど、昨年十一月末の、四国高松までの旅行記を、忘れないうちに書いておこうと。といっても久びさの旅を楽しんだなんて話でなく、一昨年に病没した亡き友への弔問の旅-----のはずが、さんざんだったというお話です。