エッセイ · 2020/11/10
人前で話すのは苦手、でもアガらないと自分では思っています。 先月もコロナ禍の中、上野の東京文化会館での『鉄舟会』講演で、1時間半ほど喋りました。タイトルは「『柳橋』妖人奇人録」。五巻まで来た『柳橋ものがたり』には、実在の人物が何人か登場しています。“江戸の粋”と言われた柳橋でなければ出会えない人達だから。この際、それをラインナップしてみたのです。 当ホームページ管理人・井田ゆき子さんがパワーポイントを担当してくれ、幕末の江戸の地図、浮世絵、写真などを万華鏡を見るごとく展開して大好評。おかげで私もアガらず話せたのですが----。

エッセイ · 2020/10/09
家事をしながらTVをつけていたら、聞いたような曲が流れてきます。でも、聞き覚えはあるけど曲名が浮かばない。ラララ----と一緒にハミングしてたら、あれれ。これって、毎週楽しく見ている『偉人たちの健康診断』(NHK・BS)のエンディングテーマでは? でも曲名は『翼をください』と紹介されました。ヒエッ、あれは『翼をください』だったんですか。うかつでした!

エッセイ · 2020/09/10
八月末の暑い午下り、こんなことがありました。エアコンに浸かって仕事してると、無人のリビングで人声が----。行って見ると、「ピッ、電池ギレデス、電池ギレデス」とどこからともなく機械音が流れてくる。音を辿った先には時計があった。へえ、こんな音を出すんだ、と驚きながら単三2個を入れ替えて、はいお終い。 -----のはずが、五分たたぬうち「ピッ、電池ギレデス----」。驚いて辺りを調べまくると、どうも台所のコーヒーマシン『デロンギ』ではないか。だが点検してみると電池は見つからず、説明書にも記述なし……

エッセイ · 2020/07/20
コロナ疑惑といえば、前回書いたように、雑司ヶ谷での会食に出席した私。実はその後、びくびくものでした。店は地下にあるのに、換気や飛沫防止の準備も見当たらず、あまりに“いつも通り”だった。おまけに私は喉が弱く、時々わけもなく喉が痛んだり、咳が止まらなくなったりするので、その度にいよいよ来たか-----と。 でも14日間の“喪”がぶじ明けると、また性懲りもなく東京へ。 最新の『柳橋ものがたり5巻』で、柳島妙見堂辺りの風景を描くにあたり、参考までに見た広重の浮世絵『柳しま』が、あまりに美しくて! 久々の青空に誘われ、行ってみたくなったのです。

エッセイ · 2020/07/02
その日がついにやって来ました。 6月26日の東京は朝から晴天、最高気温32度の暑さ。でも、河出書房新社から出た『赤江瀑の世界』のごく内輪の出版祝いとあって、4か月に及ぶ自粛を解除して、雑司ヶ谷へと駆けつけたのです。

エッセイ · 2020/06/17
『柳橋ものがたり5』に掛かりきりで、ブログ書く余裕がなくて。といえばカッコいいみたいだけど、「あれはどの史料に書かれてたっけ」「あれは確かこの書物に-----」と、探し物探し読みに多くの時間を取られる日々でした。 やっと昨日入稿してやれやれと思ったら、早めに入稿した最初の部分のゲラが、今朝一番でどさり。もう、がっくりです。 原稿を手放した昨夜、見たかった深夜番組を見てうとうとしてたら、「あの人達(登場人物)今ごろどうしてるかしら」と夢の中で追っている自分がいました。

エッセイ · 2020/05/03
皆様、いかがお過ごしですか? 今日は「八十八夜」。立春から八十八日たったのです。コロナがいよいよ騒がれ始めたのも、立春(二月四日)のころでしたね。 あの時は、まさか八十八日たってもまだ終息しない、などとは思いもよらず。でも電車での外出は控え、映画館も美術館もレストランも呑み屋も行かず、静かに暮らした八十八日。長かった! そんな中、コロナ対策班を率いる押谷仁教授、西浦博教授たちの、未知のウイルスに立ち向かうドキュメントを、T Vで見られた(ほのは幸いでした。その健闘ぶりには頭が下がりました。 でも話は飛んで、江戸時代、コレラと闘う蘭方医の存在や実情など、当時の人々には、想像もつかなかなかったでしょう。幕末史を見てると、三日で死ぬといわれるコレラ大流行に、神仏や除災儀礼にすがるしかなかった庶民の狂乱の姿がある。-----と同時に、命がけで悪疫に立ち向かった医師もいた、ということが分かります。

エッセイ · 2020/04/04
今日は風の強い日。この風で桜はあらかた散るでしょう。 ああ、今年はお花見もしなかった。春は来ても、われら“コロナ自粛の民”には訪れぬまま通り過ぎて行く-----とベランダから外を眺めて考えていて、ふと思い出したことがあります。西南戦争を戦った武将が、そんな感じを詠んだ有名な漢詩があったっけ----。

エッセイ · 2020/03/15
桜の便りもチラホラ聞こえる昨今、皆さん、お元気ですか? 今年の三月は何と、スケジュール表が、真っ白! 去年の今ごろは花粉症に悩みつつも、東北へ旅行したり、お芝居に行ったり、関西旅行の準備をしたりで、けっこう忙しかったんだけど。 すべてが中止or延期で、急に行く所が無くなっちゃったけど、止むを得ません。大した用もない者がふらふら出歩いて感染(あく)を為すことは、自粛した方がいい。

エッセイ · 2020/02/14
2月7日、東京八重洲の居酒屋で「佐伯俊男を偲ぶ会」。 金曜夕方のせいか、東京駅近くの呑み屋街は、驚くほど沢山の人でごった返し----。呼び込みの若衆が声を張り上げ、「どうッすか、お一人、二千円ポッキリ!」。コロナウイルスなんてどこ吹く風? “地獄絵師”と呼ばれ、アングラ文化全盛の‘70年代に登場し、アングラを突き抜けて、国際的な地平を歩みつつあった佐伯さん。 昨年11月21日、突然この世を去ったのです。三年前の消化器系の癌手術は成功し、「八十は超えられるかな」と言ってたのに、享年74とは。報せを聞いたのは、その翌日の氷雨のそぼ降る寒い午前。 すぐに支度して、横浜駅の長距離バス発着所に駆けつけ、千葉の山奥まで延々1時間半。対面した佐伯さんは眠っているようでした。

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