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ただ今リハビリ中

 

立春が過ぎ、季節は春に向かって動き始めています。前回このブログに書いたのは、私が通称“パソコン猫背”なる疾患に見舞われた、昨年暮のことでした。そう、右の二の腕が痛むので整骨院に二ヶ月も通い続け、ついに両腕が上がらなくなって、整形外科に駆け込んだ。レントゲンの画像では、パソコンを覗き込む形で背骨が写っており、痛みの正体は肩の筋肉の衰えにあると。「まずは注射と薬で痛みを止め、リハビリを」という段取りになったところまでです。

 

あれからどうなったか。その続きは、鎮痛剤とリハビリの両輪が噛み合えば、もっといい年の瀬になったでしょうと。でも似たような故障者が多いらしく、リハビリ部門に空きが出ない。予約が取れるまで待つしかなく、その一方で、処方された鎮痛剤があまり効かず、年末の大掃除もろくに出来ない惨状だったのでした。

 

加えて、何だか身体の動きが鈍くなってきた。運動不足で少し太ったかな、と初めは思ったけど、どうもヘン。鏡に映る顔は変わらないのに、私の足はこんなに太かったかしら? ハッと気づいた時は、両足と右腕がパンパンに浮腫んじゃって、床に座れば起き上がれない、お風呂に入れば浴槽から出られない、大股歩きもできなくなっていた。

四週間飲み続けた鎮痛剤の副作用を疑ったけど、病院はすでに年末休み。この最悪の状態のまま、独断で薬を微調整しつつ年を越しました。でも大好きな黒豆、お煮染め----等のおせち料理はちゃんと作りましたよ。


それにしても世の中って、本当に故障者が多いですね。初診療の一月四日昼ごろに電話入れたら、いま予約すれば、診療は夜の八時過ぎになると言われたのです。そこを何とか割り込んで、三時間待ちで先生と面談。あれこれ話した結果、診断はやはり「鎮痛剤の副作用」であろうと。そして「紹介状を書くから今後は内科医に診て貰ってほしい」とのこと。正直な先生で、外科医ではこれ以上面倒見切れないというわけ。

 

トホホ----の気分で訪ねた内科医は、沈思黙考のすえこう仰った。「もうステロイド系の治療しかありません。これでいけば痛みはたちどころに消えます。ただステロイドは、二、三ヶ月飲み続けないとまたぶり返すし、副作用も強い危険な薬。最小限の量で治療を------云々」

 

かくて散々の思いをして覚悟を決め、ステロイドを飲んだのです。するとその日のうちに痛みは消えた! リハビリの予約も何とか取れ、ようやく歯車が噛み合い、回り始めました。リハビリは理学療法士の指導でカリキュラムをこなし、腕がちゃんと上がれば卒業とのこと。そして薬を飲み始めて数日後。真夜中に目覚めてから朝ま


で、数回にわたるトイレ通いに襲われた。「次は頻尿症か」と絶望的な気分でしたが、ふと思いつき、電気をつけてパジャマの裾をたくし上げ、風呂場の鏡に映してみたら、何て足がほっそりしてること! 悪夢の浮腫みは流れ去り、元の“美足”に戻っていたのでした。

 

確かにステロイドの威力は魔法のようでした。と言って、疾患が治ったわけではない。療法士のリハビリは卒業したけど、宿題が出ました。「うかうかしてると、猫背がぶり返しますよ。あと四週間、自宅でカリキュラムを続けること!」。 今は副作用を恐れつつステロイドを飲み、うっかり薬を飲み忘れたら、本当に痛みがジワリとぶり返した。春は一体いつ来るのやら-----。でも案ずるより産むが易し。そのうち何とかなるだろうと、首を長くして春を待つ、リハビリ中の私です。