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スティーブ・マックイーンは二人いた

    寝る前にほろ酔いでチャンネルを回し、古い深夜映画をちょっと観るのが私の子守唄がわり。でもこれも困りもので、うっかり面白いと延々付き合わされてしまう。先日もマイケル・クライトンのS F「アンドロメダ」(ロバート・ワイズ監督)をついつい----。これは怖かった! 怖すぎて、深夜二時に、エイヤッと消しちゃいました。

    もう一か月以上前ですが、「それでも夜は明ける」が引っかかりました。番組情報を見るとスティーブ・マクイーンの名があったので、見ることに。スカッとしたアクション映画を観て、コトンと寝てしまいたい夜もありますよね。でも何だか様子がヘン----。

   黒人問題を扱っていてどうやらシリアスで、なかなかマックイーンが出てこない。でもそのうち颯爽と登場し、差別主義者どもを撃ちまくってくれるのだろうと-----。けれどもブラッド・ピットやマイケル・ファスべンダーが出ていて、どうも時代が合いません。 


 眠い目をこすってネットで調べてみると、何とこちらのS・マックイーンは、イギリスの有名な黒人映画監督なのでした。この映画でアカデミー作品賞を取り、今もバリバリと活躍なされています。映画ファンなら誰でも知っているでしょうに、自分のあまりの無知さにひとり赤面の夜でした。

 

 同姓同名といえば、アーネスト・サトウも二人います。よく知られているのは幕末から明治にかけて、生麦事件から明治維新までつぶさに目撃した、あのイケメンのイギリス人外交官です。サトウという名は、そういう英国名なんだそう。

 

 

 もう一人は写真家です。 A・サトウを調べていると写真の話が時々出てくる(?)ので、趣味なのかと思い込んでいたら、日本人父とアメリカ人母の間に生まれ、フォト・ジャーナリストとして活躍した著名人で、ご子孫もご健在です。

▲アーネスト・サトウ 幕末から明治にかけて通訳として活躍した日本語が堪能なイギリス人外交官だ。


   

 同姓同名と申せば、かくいうモリマサコも-----。私の旧姓で、ペンネームでもありますが、よくある名なんですね。大学時代の理学部にその名が存在したし、国会議員さんにもいます。ある時は、私宛てに八百万円の請求書が銀行から届き、卒倒しそうになったことも。マンションに同姓同名者がいたんです。

 

   そしてあの歌手のモリマサコさん。困ったのは有名すぎて、銀行や病院で名を呼ばれれば、誰もが振り返ること。これには悩まされたけど、気が付いたことがありました。「モリさん、モリマサコさん」と必ず二度呼ばれますが、「モリさん」と「モリマサコさん」の間に一秒ある、その時すかさず出て行けばいいんだと。で、いつも前列に陣取り、「モリさん」とくると「ハイ」と立っていく。これで、難問を解決したのでした。

 

    では何故そんな悩ましい名を、再びペンネームに採用したのか。ここにもう一つ難題があったのですが、それを語ると長くなるのでまた別の機会に----。それと、「夫婦別姓」がよく言われますが、自分のルーツが姓の中にある人はともかく、姓を失うことが必ずしも苦痛でない人も、結構いるんじゃないですか。